円環少女(1)(長谷敏司)

倉本きずな万歳。

閑話休題
出だしからかなり読みにくくて難渋する。見慣れぬ概念と世界観がぶんぶん飛び交って、ついていくのがやっとの有様。中盤ようやくユーザーフレンドリーになってきたと思ったら、クライマックスでまた全開。作者は読者(つうか俺)の理解力を過大評価してるんじゃないだろうか。
登場人物達に情が移ってからの、彼ら彼女ら全員ピンチの終盤は読み進むのが怖かった。既読の2冊(「楽園」「フリーダの世界」)からけっこう容赦ないことする作者だという印象があったので。最後にどうなったかは無論伏せるが。
しかし、なんというか、その、血みどろラブコメというか。常識的に見て無理があるんじゃないかとかみんなついてくるんだろうかとかあれこれ心配だが、個人的にはこういうのもなかなか乙なものというか。一件落着すっきり爽快、ではない読後感は決して嫌いではない。

久しぶりの新作で見てくれもだいぶ違うが、コアは楽園やフリーダと変わっていない。と思う。穏やかな普通の幸せと、血みどろで過酷な現実の衝突。なんにせよ、新しいのが読めてよかった、3年も待たされてもうあかんかと思ってました。次はもっと早めに。